646人が本棚に入れています
本棚に追加
頭目が弱いんじゃなく、転生者の少年が強いんだろうがな。その転生者の少年が口を開く。
「なに、ただのしがない弓兵だよ」
「槍使ってんじゃねぇか!」
「(槍使ってんじゃねぇか!)」
あ、俺の心の声と頭目の声が一致した。
「場合によっては、持つだろう。それより、…気付いているか?」
そういって少年は空を指差す。
「あぁ?」
頭目が怪訝な顔をするが、俺は戦慄する。
あの槍…。あの槍の能力は。
分散飛来!!
俺が手のひらに障壁を展開して空から落ちてくるソレに合わせた途端、24本の小さな槍が空から盗賊達に(俺にも)降り注ぐ。
盗賊達23人に槍が突き刺さり、悲鳴をあげる中、俺は自分に降ってきた槍を障壁で弾くと、すぐに次の行動を起こす。
この槍は突き刺さった後、轟音とともに弾ける!
俺は弾いた槍にあらかじめ火を纏わせた拳を思いっきり叩きつける。
盗賊達に刺さった槍が弾けて大きな音を響かせる中、俺は爆音を響かせながら槍を弾ける前に破壊した。
盗賊達は、直近で響いた爆音に全員気絶しているようだ。生命反応はあるので、あの槍は鎮圧用の武装なのだろう。
取り敢えず俺は、盗賊の一味に含まれてしまったのにショックを覚えつつも、隠れ続ける事にした。一応、爆音もさせた事だし、俺も倒したと思った事だろう。
最初のコメントを投稿しよう!