第三章 テンプレとやら

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「本当だって。助けようと思ったけど、出るタイミングを逃しちゃったんだって!」 「…」 沈黙が痛い。どうやらすでに遅し、といった状況のようだ。俺はため息をつき、だらんと両手を下げる。 「じゃあ、好きにしろよ。俺は丸腰だし、お前の槍なら一瞬で片がつくだろ?」 どうやら鎮圧用だし、死にはしないだろう。刺さるのはマジ勘弁だが、それは防いで、音で失神してしまおう。 「で、俺のことよりもそこの騎士さんを助けるほうが先じゃないのか?」 取り敢えず、正論を振ってみる。 「なにを…。お前達のせいだろうが!」 負傷した騎士さまの怒りを買ったようです。俺はやってないのに。 「で、どうすんの?早く治すか、医者に連れて行ったほうがいいと思うよ」 「くっ、できるならとうにやっている!」 騎士さま叫びすぎでフラフラ。結構、深手だしね、この人も。侍女さんが布で手当してるけど、あまり意味をなしてないようだ。 「…君は何か治癒とかできないの?」 転生者の少年に聞くが、少年は頭を振る。[全知]で少年の能力を確認するが、どうやら戦闘特化の能力ばっかりのようだ。転生者も万能じゃないのね。 「近くに街は?」 あの少年の身体能力ならば、すぐ医者のところまで着けるし、俺も知りたい情報だったので聞いたのだが、
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