第一章 神とやら

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「むー、分かったような分からないような…。で、平衡ってのがそうだとしてそれを任意の方向に崩すというのはどういう意味なんだ?」 「今、水は液体から気体に変わる方が優位で、水は減り続けていることで平衡を保ってるわけだけど、これを気体から液体に変わる方が優位になるように平衡を崩してあげれば…」 ウメダくん(笑)が持つコップの中の水がみるみる増えていく。やがて溢れそうになるところで、 「逆に液体から気体に変わる方をより優位にすれば…」 溢れそうだった水はまるで空間に食われるようにその量を減らしていき、最終的にコップの中はカラになってしまった。 「とまあ、こんな感じかな?」 「…つまり、水を増やしたり減らしたりできる能力ってことか?」 「そんなちゃちい能力じゃないってば。さっきのは水の相変化の平衡を例にしただけ。他にも化学平衡、物理平衡を利用できるんだよ」 「あー、わかんねぇわ。使いこなせそうにないんだけど、その能力」 「だろうね」 「だろうねって…」 「だから[全知]を与えたんだよ~。これで検索してなんとか頑張ってね」 「なるほどね。ていうか[全知]って、まんまあれだな。アカシックレコードとかいうやつじゃね?」
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