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「まあ待てもちつけ、慌てるのはまだ早い――俺が、なんだって?」
この質問も当然先ほどと同様に意味が分からないのではなく、意図が分からないための質問だ。
しかし、慌てる真琴に対し、青年はむしろ何が分からないのかが分からないというふうに首を少し傾げている。
「ですから、アナタにはあの世界の勇者一行を――果てはあの世界を救っていただきたい、と」
「何だよそれ……まるで俺が勇者みたいじゃね」
真琴がどもりながら何とか反論するが、そこで青年はニヤリとほくそ笑み、
「ええ、異世界からの勇者――お好きでしょう?」
「――――!! あ、……まさか……」
そしてようやく真琴は気付く。
恐らくこれは夢でもなければ、適当に自分が選ばれたというわけでもないということに。
そしてそれは詰まるところ――
「ってことは……おま、いや、あんたが神様?」
「ご名答です。最初から薄々気付いているような印象は受けましたが?」
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