二章 魔という存在

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 そしてあっという間に野次馬化した奴隷たちに円形に囲まれる真琴と指揮官。  あまりの痛さに強がってしまい、どうやら指揮官と一対一のバトルな流れになってしまっているようだった。 (あれ? そういえば俺どんな力貰ったの? 世界を操作する力の一部、って具体的に何!?)  そもそも真琴はただのニートであって、魔法使いでも超能力者でも、ましてや神の力を使いこなせる者でもない。  そのただのニートが、気付けば何の脈絡もなく奴隷としてどことも知らぬ鉱山で働かされている。見渡せば薄い布一枚を纏っただけの老若男女が死んだ魚のような表情で思い岩を運んでいた。 「なるほど……つまりここが俺の最初のダンジョンにして、おまえが最初のボスってわけですねわかります!」  まさにRPGな展開。さらに言えば最初のボスなんてチュートリアルみたいなものだから凄く弱いはずだ。  突然訳の分からないことを言い出した真琴に指揮官は多少身構えるが、さりとて見せしめにするという意思は変わらない。
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