二章 魔という存在

6/26
前へ
/55ページ
次へ
 せめて力の使い方さえわかれば勝てるのかもしれない。しかし分からなければ無い物ねだりもいいところだ。  まさかあの青年が実は神ではなく、真琴がペテンにかけられたということも考えられるが、それでは真琴が感じたあの神々しさを説明出来ない。 「ふんっ、貴様の命はここで尽きるのだ! 心配するな、人間の死体は食料にでもゾンビにするでもいくらでも再利用出来るのだから!」  またしても激しい鞭の応酬。当然避ける身体能力などない真琴はただひたすらに腕で庇うしかない。 (何に安心すればいいんだよ、出来れば聞きたくなかったわ!)  人間を再利用など悪夢以外の何物でもない。  この情報は他の奴隷たちも知らなかったらしく、皆顔を青ざめさせている。  鞭の威力は普通の鞭と変わりないように感じられる。それでも長さがある分多少威力は増し、真琴の腕に傷を刻んでいく。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

128人が本棚に入れています
本棚に追加