二章 魔という存在

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「な……なん……なんで」  そして指揮官、魔物たちが見たものは、傷一つなく鉱山から流れ出ていく箱の姿だった。  指揮官はすぐさま近場にあった別の箱に火炎呪文をぶつける。  すると箱は当たり前のことだが一瞬にして灰と化した。 (これは……まさか!!) 「伝令!! 魔王様へ緊急の伝令だ!! 一言でいい、今日付けで奴が現れたとご報告しろ!!」  指揮官は未だに起こったことが信じられず、ただ箱の流れ出ていった方向を呆然と眺めていた。  恐らく、あの箱船が沈むことはないのだろうと指揮官は予測する。  そして自らの持ち場で真琴を仕留められなかったことを悔い、それでも職分を果たすために奴隷たちの管理へと戻っていった。
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