二章 魔という存在

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――箱の中。 「ふぅ……暗くて分からんが、生きてるってことは助かったんだよな?」 「はい……でもあんな爆発の中助かったなんて信じられませんね」  二人は箱の中、助かったことへの喜びと疑問を抱いていた。  魔物たちの命中精度が低かった? それにしてはこの箱も直撃したように揺れていた。  この船が特別だった? 適当に少女が選んだうちの一つだし、何より死体を入れるためだから頑丈にする必要はない。 「それにしてもこの箱木製みたいだけど大丈夫なの色々と」 「さあ……木の質と、時間次第ですね」  さっきから話していて気付いたのだが、どうやらこの少女は妙に肝が据わっているようだ。  若干のカルチャーショックを受けつつも、真琴はせっかくの異性と触れ合える機会を有効に利用しようと試みる。 「あ、俺は峰津 真琴。名前聞いてもいい?」  基本的にコミュニケーションが苦手な真琴だが、相手が密着してるのと箱の中が薄暗いおかげで恥ずかしさはあまりない。
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