164人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は子供で、経験値なんかなくて、同性だとか二人とも好きだとか考えたって答えは勿論なく、僕は、
「今日ガリガリ君おごって」
「ああ」
「いいぜ」
偽りの日常を繰り返そうとしていた。
こんな事は誰も救われないと知りながら、僕は二人を離せないでいた。
それが一週間前。
(あ、)
パッと手を伸ばしてももう遅かった。
転がったシャーペンはよーへーの手の中にいて、どうやらそれはもう帰ってきそうになかった。ここ最近よくある事である。
水色のシンプルなシャーペンの代わりに、よーへーから黒の高そうなシャーペンを渡された。何を言っても無駄である。二人には。
昨日は百均で買った安っぽい糊を部長に取られ、代わりに新品の愛らしいデザインの物を貰った。
僕としては使いかけの安物が新品同様のものや、高級なものにかわるので構わないが。
二人とも幸せそうだったのでそっとしておいた。
最初のコメントを投稿しよう!