俺の恋

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僕は子供で、経験値なんかなくて、同性だとか二人とも好きだとか考えたって答えは勿論なく、僕は、 「今日ガリガリ君おごって」 「ああ」 「いいぜ」 偽りの日常を繰り返そうとしていた。 こんな事は誰も救われないと知りながら、僕は二人を離せないでいた。 それが一週間前。 (あ、) パッと手を伸ばしてももう遅かった。 転がったシャーペンはよーへーの手の中にいて、どうやらそれはもう帰ってきそうになかった。ここ最近よくある事である。 水色のシンプルなシャーペンの代わりに、よーへーから黒の高そうなシャーペンを渡された。何を言っても無駄である。二人には。 昨日は百均で買った安っぽい糊を部長に取られ、代わりに新品の愛らしいデザインの物を貰った。 僕としては使いかけの安物が新品同様のものや、高級なものにかわるので構わないが。 二人とも幸せそうだったのでそっとしておいた。
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