俺の恋

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「よーへーつうの」 言ってみろ、血まみれだった人は僕に笑いかけた。 僕は不覚にもクラリとした。嬉しかった。 僕はゴツくないけど、あまり見た目がよろしくない。不良っぽく見えるらしいのだ。 祖父がイギリス人だったばかりに。 そんな僕に笑いかけてくれて、この人は、 「……ほら、よーへーって…言ってみな…?」 「…よ、へー」 「良くできました」 ぼうっとする僕を置いて、よーへーは出て行った。ダークブラウンに赤系が入った、ワックスで整えられた髪が、初めて視界に入った。 そうだ、僕は初めてよーへーを自分の世界に入れたのかも知れない。 部長の時のように、興味がわいた。 部長の時のような、可愛いらしさは感じられなかった。 きっとよーへーと部長は違う。
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