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「中島、大丈夫だから!ほらっ」
「ーーーーーーーっ…」
ドアの前で、地味ながらも必死な
バトルを繰り広げていた。
…その、とき…
「山田?」
「っ…?」
担任の僕の腕を引く力が不意に緩くなって
後ろを振り向いた。
…後ろを、振り向いた
え?
山田って、だれ?
「…入っておいでよ?」
ほどよく茶色みがかった柔らかそうな髪に二重瞼なのに
伏し目がちな綺麗な目と、精悍なのに嫌みのない、整った顔。
背は、少し低くて制服を綺麗にきこなしてる。
その人は少し意地悪そうな笑みを口元にたたえて、
僕を招き入れた。
「…っっ」
吸い込まれそうなほど
かっこいい
思わず感心して、みとれてると
ふと、僕の目はその人の
耳元に止まった。
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