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「やめっ、はははは離してかださいっっ」
「…落ち着けよ」
ため息をひとつ、ついてから
山田くんは意地悪そうな、笑顔を向けた
「そんなんで許されたと思ってんの?」
「…え?」
僕が眼鏡を軽く浮かせて、
こぼれかけた涙を拭うと
「…っあ」
山田くんは、スッと眼鏡を僕の顔から奪い取った
一気に視界がぼやけて不安になる
僕は、手をバタバタさせて
必死に眼鏡を取り返そうとした
だけどはっきり見えなくて
なんとか山田くんの輪郭がわかるくらい。
「ちょ、やだっ、返し…」
「涼介!やめろよ」
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