ターゲットは彼女

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担任は出席簿を閉じて「とにかく」と続けた。 「成績はこのままを保ち、素行を改めること。いいな?」 「はいはい。…もういいっすよね?」 とりあえずそう頷いて、一礼すると職員室をでた 「失礼します」 そのとき、俺の代わりに女の子らしい男が入ってきて 担任の席に向かっていったけど 特にきにせず通りすぎた。 「は?転校生?」 「くるらしーよ!どんな人かなー?」 アホな会話は無視し、とりあえず俺はカードを軽く切りながら大貴をみた 「男なんでしょ?」 「うん、誰かがちらっと見たらしぃよーぉ」 だからお前に聞いてねえよ。 俺は大貴に聞いたんだよ。 「…ふーん。」 俺は微笑みなからジョーカーのカードを指で軽くわました。 「でも転校生と仲よくなって  あたし達、放置しないでねぇー」 うざ、きもい。 腕にすり寄るバカを振り払いたいのを抑えてまた笑顔をつくった 「へーきだって」 だって俺、男に興味ねえし 「ほんと?よかったぁ」 あぁ、ほんとにうざい 「あ、でも涼介さっき職員室行ったなら見なかったの?転校生。」 不意に大貴に聞かれて 「見てねぇけど」と答えかけた… のだが、思い止まった …いや もしかして、さっきのやつか? 「…あー、見たかもな」 顎に指をあてて、呟くように答えた。  
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