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『今日この日、僕達は斑鳩学院に入学します』
春に聞く、一定の合い言葉。
それをクソ真面目そうな生徒がスラスラと発言していた。
あの長ったらしい台詞をよく噛まずに言えるものだ。
俺なら無理だな。
そして息を吐く、
??「はぁぁ・・・
なぁんで入学式ってこんなに堅苦しいんだろ・・?」
俺、高梨 烏<タカナシ カラス>は視線を自分の右隣に向け、再び溜め息を吐く。
??「なんで、って言われましても・・・」
軽く苦笑いをした女顔の少年、楊野 日向<ヤナギノ ヒナタ>は可愛い目をクリクリさせながら真剣に考え出す。
途中、「う~ん?」とか「あー・・・」とか言って唸りながら。
俺はチラリと日向の右隣にいた生徒を見た。
その生徒・・・A君でいいか・・・A君は日向を見て顔を赤くしている。
・・・・日向は可愛い。
・・・うん、可愛いよ?(大切な事なので二回言いました。)
同性から見ても可愛いぐらい女顔だ。
だがしかし、間違ってはならない。
日向は男だ。
惚れても振られるのが落ちだよ、A君。
ヒナタ「あ!」
やっと答えが纏まったのか、日向が小さく声を上げた。
ヒナタ「きっと伝統ですよ!」
カラス「・・・まぁ、うん。そうだね」スッキリした顔でかなり当たり前の事を言った日向は少し天然だと思う。
そんな事だろうと思ったけどな。
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