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「と、ともかく話してくる!!」
「ま!馬鹿!!まだ鼻血が・・・!」
楓の制止も聞かず、美少女のもとへダッシュする杏。
・・
「こっ、こんちには!!」
噛んだ。噛みやがった。
楓は時すでに遅しと言わんばかりにため息をついた。
「!?」
案の定美少女は固まっていた。
「ぇっと、えっと、え~……」
クルッ
杏が楓をふりかえる。
目が「助けて」と目が訴えている。
『知らないよ。馬鹿め。』
口パクだがどうやら正確に伝わったようだ。杏の悲しそうな顔が深くなった。
制止も聞かず飛び出すからそうなる。とでも言いたげな楓。
杏はそれに『鬼!!』と返した。
「…おい、」
「へっ?」
声は自分のしたから聞こえた。
つまり美少女のものだ。
「なんかようか?」
言葉使いは荒いが声は想像通り可愛い。
そのギャップがまた…!
杏は溢れ出そうになる鼻血を楓のハンカチで押さえた。すでに血まみれである。
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