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四月。朝の通学路。
今日は、全国的に入学式の日。
そんな通学路で棒立ちしている少女は、黒井 杏。(クロイキョウ)
170センチ程で、女子の中ではかなりの長身だ。
精悍な顔をしていて、髪は黒髪。肩にかからない程度の短髪。
これだけだと、まるで男のようだが、実際杏は男のような外見をしていた。男と間違えられたことは何度もあった。
そんな杏も、今日が入学式。
しかし、
「…………。」
何故か杏は、ある一点を見つめて、全く動かなかった。息も一瞬とまってた。
「か、かえちゃん!アレみて!あれ!」
バシバシと、隣の友達の肩を叩く。
「なに?バラちっくな光景でもあった?」
肩の痛みに少し顔をしかめながら、振り向いたのは、茶金髪のツインテール少女。森野楓(モリノカエデ)
けだるそうな目をパッチリ開ければ、中々の美少女だろう。
身長は小さめの150センチほど。
杏と二人で並べば、いかにもカップルだ。
「ちゃうよ!男じゃなくて女!!超美少女!」
「ヤッパリ……私は百合より薔薇派って何回も言ってるでしょー。」
楓はお察しの通り、腐のつく女子である。
「…ユリ?バラ?…花の話じゃなくて!ほら、び、しょ、う、じょ!!」
「はいはい、大声で人を指さすな。ウルサい。」
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