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入学式15分前。
生徒は、張り出されていた、それぞれのクラスへ移動していた。
「か、え、ちゃぁぁぁん!」
「うるさい。」
「やったね!!おんなじクラスだよ!!」
「よかったね~。」
「棒読み?!」
「イヤイヤソンナコトゴザイマセヌョ。」
「かえちゃんひどい!!」
言い合いをしながら、教室へと向かう。
クラスはA組。一階。
【ガラッ…】
「結構もう人居るね。」
「うはーっ。……ん?」
杏がなにかを見つけた。
「かかかかか、かえちゃんっ!!」
バシバシッ
「痛い!煩い!叩くな!」
「だってだって!!ほら、ほらあの子!!」
杏が鼻息荒く、ある一点を差した。
「わかったから落ち着け!……あ、なるほど。」
見て納得した。
杏が指す先には、先程の美少女がいた。
頬杖をつき、窓の外を静かに眺めている様はそれだけで絵になっていた。
「凄い、凄い!うんめー!運命だよ!!」
はしゃぐ杏の鼻から赤い液体がちらりと見えた。
「みっともないなぁ!!鼻血を出すなよ!ホラ、ハンカチ。」
楓のハンカチを奪うように盗る。ちいさく ありがと といって、鼻に当てた。
「買って返せよ?」
「無理。おこずかいピンチ。」
既に楓のハンカチは血が滲んでいる。
「体捌いてでも稼げ。」
「鬼っ!!」
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