27人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
高校を卒業して、私は、私の事を知らない町に来た。
私なんか、生きててもしょうがない人間。
大切に育ててくれた母のために、せめてお金を稼いで送る。
可愛い妹の梨華…
ゴメンね、こんな姉ちゃんで…
梨華は、素敵な彼氏見つけて幸せになって欲しい…
好きな道を歩んで欲しい…
私は、大好きな梨華を大学に行かせるためにお金を貯めた。
夜の仕事に就いた。
昼間の仕事より稼げるし、あんまり人と遭わなくて済む。
私は、夜の工場で力自慢の男に混じって働いた。
てんかんの病気は、隠していた。
正直に言ったら採用してくれる会社なんて…
もしかしたら、そんな良心的な会社もあるのかも知れない。
私は、初めからあきらめていたんだ。
何もかも…
期待して裏切られるより初めから何も期待しない。
そうやって生きてきた。
最初のコメントを投稿しよう!