誘惑

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「あの人おきないの?」 車で爆睡中のろっきーを指差していった。 車の傍までいき、 コンコンと窓を叩いた。 「おはようー!」 その瞬間、 ガバッと飛び起き、 辺りの状況をみて、 「・・・わぁ!びっくりしたょー!!!」 そのワンテンポのズレと、 気の抜けた言葉に、 爆笑してしまって、 ロッキーは第一印象から、 壼に入るキャラだった。 朝日が眩しい頃になっていたので、それ以上は特に話さなかった。 かっちゃんが 携帯を買い換えていたようで、番号交換の雰囲気になった。 とりあえず、私も聞いた。 しばらくまた 会社とお店の往復がつづき、 休みの日にまいと遊んだ。 また、恒例の「暇人探し」にて、携帯を登録順にならしていった。 かっちゃん、みっちーペアは、用事あり。 ダメ元で、ろっきーにも 電話しようとなった。 近くにいるという彼は、 電話を切って、 すぐにやってきた。 スーツとまではいかないが ベージュっぽい、カジュアルなジャケットとパンツ。 一見清潔感があって、 好青年だけど、よく見ると、 耳にピアス跡がいくつかあって、 大きさからいって、 ボディピアス位だったから、 ろっきーは昔は結構 やんちゃだったのかなぁなんて想像した。 「スーツなんか着て仕事柄?どんな仕事してるのー?」 「えぇ!そんなこと聞いて、僕に興味あるのかなぁ?」 なんて冗談ぽくいったあと、 環境の仕事だといっていた。 「ああ、見た目それっぽいねー。土の色だし(笑)」 公務員かなって始めは思ってたけど、話を聞くとどうも違う。 19才の私には初めて聞いた名前だったので、ピンと来なかったけどマルチっていわれるものだった。
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