誘惑

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昼間をやめて、ゆっくりなんて暇はなかった。 逆に、時間の制限がない分忙しくなった。 夜とマルチのかけもちを しはじめた。 いつからか、 あの人たちのなかにいると 『同業者』の匂いはすぐ嗅ぎ付くもので、店にくるお客様にもあきらかにそうだろうという人もいた。 毎週アップにあうために、熊本まで足を運んだ。 アップとはマルチ用語で、 自分に紹介してくれた人から上をいう。 紹介した人に紹介したひと、その人の前に紹介した人・・・ つまりは、 ピラミッド形式の構図なので、自分より先に知って、広げてきた「先輩」をアップというわけ。 系統ってのがあって、グループみたいなの。 結局、売上がいいグループ、勢いがあるグループ・・・って特色で分かれてくるんだけど、アップの人柄に左右されるといわれてます。 なぜアップに会いに行くのか? それは、研修会というか、ぶっちゃけアップの影響力をうけて、自分に勢いをつけるためです。 通常、ハイテンションになりに行くのです。(笑) もちろん、 一人でいくことなんてめったになかったけど。 とにかく、周りは盛り上がるんだよね。 あたしはなんだか一人枠の外みたいな感じでみてたけど。 やっぱり、主催者みたいなひとが、いろいろとある系統の元となる人物で、 そういう人は、 億単位で収入がある人。 羨ましい。 自分もいつか‥なんて夢を持ってしまうのだろう。 自分がいくら頑張っても、 その人の収入が、 またあがるんだよね。 う~ん? その当たりから、 誰に言うことでもない 疑問が生まれていた。
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