15人が本棚に入れています
本棚に追加
でもね、
そこで、仮にね、
そういう関係になったとして、
私はその人の幸せを願うわけで、
どうしたら幸せかってことを
考えてるわけです。
ヒデの件に至っては、
彼は奥さんと子供と別居中ですごく悲しんでいたし、本音は戻ってきて欲しいって、でもどうしていいかわからないって、心が叫んでる気がした。
表には出さなくても、
優しい彼の心は、映し出されていた。
私は家庭崩壊を望んでるわけぢゃない。
どうすればいいのかってことを、考える側。
だから、彼にとって最善の方法をアドバイスする。
奥さんの目線の気持ちを、
伝える。
男女って、理解できない部分があって大変なんだけど、わかろうとすることはできる。
お互いを認める事はできるんだよね。
そういうところで、話をして、
時間を置けば置くほど、
心の距離もできちゃうからって、背中を押す。
電話をさせて、
「飯でもいかないか?」
それでいい。
だって、結婚する前の、
それこそ、付き合ってる時なんかは、お互いを知るために、二人きりでデートしたでしょ?
それを今でも、できないはずがないんだよって。
「あいつ、焼肉食わせろとか贅沢いいやがった!」
そうやって、電話が終わったあとに、報告してくる顔は決まって、安心感と安堵感とにやけた口元がついてくる。
よかったね、ほんとによかった。
そして私もつられて、
へんなニヤけ顔になっているんだ。
それが嬉しい。
何かあったら、また連絡してきなよって、いうんだけど、
決まって連絡は一度も来なくなった。
それは、みんなが仲良く、
幸せに頑張ってる証拠。
そう、考えるだけでも
私の口元はまた、にやけてくるんだ。
そういう人間が、
永岡 理緒なんです。
最初のコメントを投稿しよう!