誘惑

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以前務めていた昼間の職場の、 失業保険が入りだしたので、 それを理由にお店を辞めた。  おなじみの客層にも少しマンネリだったし、そのまま夜に居続けるなんてことは、ないだろうって思ったから。 その頃、 夜の時間帯だけオープンする、輸入商品の店ができた。 アジアンテイストな内装だったが、なんと堂々と、偽造ブランドバックが所狭しと並んでいた。 その頃はブランド物ブームだったし、もちろん憧れがあったから、興味津々で入ってみた。 お店の奥には、あまりいけてない感じの、若い店番のお兄ちゃんがいた。 はっきりいって、真面目君。 なぜにこんなお店のスタッフをしてるのかしら。。。 不思議だったが、とりあえず バックの形の質問をした。 以外にそのお兄ちゃんと、 年齢が近かったこともあって、よくその店に入り浸っていた。 「理緒は何の仕事してるの?」 「してなぃょ。」 「じゃぁ、あしたも来てね」 「‥わかったー。」 普通そこってプラスに受け取るとこですか!? 不思議少年だ・・・。 毎日そこに入り浸った。 次第に、そこは彼の親の店で、ただ店番をしているんだと知った。 「友達と遊びたいとか、思わないの?」 いつも夜にしか開けないお店だったから、年頃の子は遊びに行きたいんじゃないだろうかと疑問に思った。
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