誘惑

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「それって、店番してくれるっていってんの?」 ニコニコして彼が言った。 「いっつも来てやってんじゃん(笑)」 「困るねー、ちゃんとレジも覚えてもらわないと!給料払えないでしょう?」 「あ、はぁ、すみませんオーナー・・・・・って、おい!」 こういう、見た目の割に、 ボケをフッてくるとこがツボで、楽しかった。 「俺ともだちとかいないからね。いじめられてたし。」 「あーそんな感じだもんねぇ。」 この女は、ずけずけとほんとに思ったことを素直に言うやつです。 「ぶっ。んなわけないでしょう!?なに、その納得した感じ!!!失礼な。」 彼は優しいので、 そういいながら、 ニコニコしていた。 「まぁ、ネクラだったし、ともだちもネクラっぽいのしかいないから、遊びとかいかないんだよね。」 「へぇ~、いたんだぁ、ともだち。。。」 「まだゆうのか!!!」 そんなけなしけなされのエンドレストークをずっとしていて、その時間はいつも飽きなかった。 彼はハーフで、妹もいること、おかぁさんはパブの経営者であるということ、買付にはいつも一緒いってることなど沢山話した。 なにげなく、 目線や仕草や話し方で、 彼に好かれてるとは 感じていた。 予防線はっとかなきゃ、 って彼氏がいるふりをした。 今考えると、毎日来てるのに 彼氏なんて居ないのバレバレだったろうに・・・。 めちゃくちゃ気が合って、 たのしかったんだけど、 なんか、雰囲気が自立しすぎてて、甘えてくれなさそうで、 自分が甘えそうになるのが嫌だった。 でも、すっごい惜しい出来事が!!!! 彼を、一年後すれ違いざまに見ることがあった。 めちゃくちゃイケ面になっていた・・・・。 「逃した魚は、大きかったね♪」 まいはニヤニヤして言った。 結局あたしが馬鹿なのさっ。 でも、人間見た目じゃない! あの時、私の中で、恋の炎が燃えなかったのに付き合ってても、うまくいかなかっただろうしさ。 どこかで、幸せになっていることを願います。
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