誘惑

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当時、大好きだった音楽のアーティストがいて、好きな人たちでチームをつくろうって考えた。 同級生が何人か集まったが、人数を増やしたいねっという話になった。 そこで利用したのは携帯サイト。 女の子限定にしたわけではなかったので、男の人からメールがきた。 時間の都合を合わせ、直接合うことになった。 そこへ来たのは、 熊かと思うくらい図体のでかい男だった。 言うまでもなく友達はみんなどん引き。 さっさと帰りたいムードだ。 しかも乗ってきた車はボーボーうるさくて、地面走ってるよーな走り屋車。 でもそれは私には、 新感覚だったから興味あった。 その日は、ドン引きして一言も話せなくなった友達らに悪かったから、すぐにかえった。 メールで連絡するうちに、 その大男「しょうちゃん」とは遊び友達になった。 まぁ見た目はそんな感じでビッグな風貌だけど、車のメンテナンスのような繊細なことが詳しそう。 これがきっかけとなり、 しょうちゃんとは 10年以上お互い信用できる存在としていることになる。 時に恋話をする、時に家庭の話をする。そんな異性では珍しい、親友となった。 そんなしょうちゃんから仲介してもらい、シルビアにのった。 最初のうちは、あまり車の引き運がよくなくて、 次は14シルビア、ローレルといった感じで故障の度に乗り換えた。 単純に、人と違うことがしたかった。 よくいるような、キャラクターに埋めつくされた女の子特有の車に乗るよりは、違うことがしたかった。 「おもしろいとこがあるよ!」 しょうちゃんが、「土曜の夜に 時間を作れば連れていくよ」といった。
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