誘惑

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夜か‥ 自分が知らない、 大人の世界だ。 興味がないことはないが、 なんだか恐い‥ お酒もそこまで 飲んだことなんてないし、 ましてや好きではない。 でも・・・・ 理緒は大好きだった 恋人のゆうじと別れてから、 心にポッカリと穴が空いている 状態だった。 どうせ何にもない毎日、 正直あきた。 今はフリーなんだし、 稼げるときに、 稼いでおかないとなぁ‥ そんなふうで、 気持ちが段々揺らいでいった。 そういいつつも、 一週間がたっても、 いつもの生活が 繰り返し巡っている。 あの日、ロッカールームで 夜の世界にひかれていたのは 事実だが、 たった一人で、 なんのコネもなく 立ち向かえる世界では ないように感じていた。 そんな時、 帰宅の最中に、 一件のメールが入った。 「おつかれ~!今日あんた暇?」 中学からの友達のまいだ。 「リアルタイムで直帰してるトコだし。・・ひま人だよー(´;ω;`)」 手慣れたように、 返信は早かった。 まいからの返信も、 負けじと早い。 「久ぶりカラオケ行かない?」 「いくいくー!どこ集合?」 ストレス発散には カラオケが一番。 待ち合わせはそれほど遠くなかったので、歩きだしていた。 「おつかれぇ~・・。」 やってきたまいは、 はやりのファーコートに ミニスカ・ブーツ という出で立ちで 化粧もしっかり決まっていた。 それに比べて・・・・ 仕事帰りの私は、 ロンTにジーパン。 すごく差を感じてしまう。
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