誘惑

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「そーいえば・・・。まいって夜してるんだっけ?」 「うん。そだよ~楽しいよぉ。」 確かに、みるかぎりでは 楽しそうだ。 「こんなふうに カラオケで歌とか、 歌ったりするの?」 「店にもよるけど、うちはカラオケ無いから歌わなくていいよ」 へぇ~。 一般人的な意見としては、 美人どころの おねーちゃんがいて、 高そうなソファで どこかの社長が ブランデーのみながら カラオケ歌いまくってるイメージがあった。 「難しい?その・・・いろいろと。」 「そりゃあ、最初は覚えることもあるけど、慣れてしまえばどうってことないよ?」 「ふぅん。 なんかさぁ、最近気になってて。やってみたいんだけど!」 一瞬まいは考えて、 「昼間の仕事は大丈夫なの?」 そちらを心配してくれてるようだ。 私は先輩のはなしをして、 まずは週2日位から はじめたいといった。 「私のお店のママに、聞いてみるよ!」 まいは快く言ってくれた。 「あたしも、理緒と働けたら楽しいだろうし!!実はまだお店に慣れてなくって、一人じゃ不安だったの!」 私も一人で決断して、 その世界に入るとなると 二の足がすくんで そうなるだろう。 立ち位置もわからず、 仕事は覚えないといけないし、 まいは、よく決断して 頑張れたなぁと、入口の段階ですごく高い壁にみえて、 まいをちょっと尊敬の目でみていた。 数日たって、 まいから電話が入る。 「明日、とりあえず面接したいって。来れる?」 「うん。絶対行くよ!」 中学生の頃、 隠れてタバコを吸ったとき に似た、どきどきがあった。
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