誘惑

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「‥うーん、 顔も悪くないわ!えーと、この仕事初めて?」 いつのまにか、 面接が始まっていた。 それまで、趣味の話や買い物とか・・・、他愛の無い話だったのだが、 そうやって気持ちをほぐしてくれたのだろう。 そういう気遣いが、 デキル女なんだ。 さすがは、お店を持つママだなと器を感じた。 目の前す座るママは、 見とれるほど色気があり,艶やかだ。 夜のママというと、 よく、テレビで「お水の○○」などと、特番で見るような、「着物」という勝手なイメージだったが、 私の考えが古かったんだろう。 「ん?経験あり?」 そういうことを考えていて、 さっきの返事をしていなかった。 「い‥いいえ!まったく素人です。実は、お酒もあまり飲んだことはないです。」 「そっかぁ‥うちに入ってもらいたいとこなんだけど、女の子いっぱいでね~よかったら、目の前のお店紹介したいんだけど‥」 え!? それは想定外。 「大丈夫!気は強いけどやり手のママだし、おすすめよ!仕事自体はどこいっても同じだから!」 あははと笑うママだが、 初めてこの世界に入るには、 見ず知らずの人たちだとやりずらそうだ。 まいと一緒に働けると過信していた私は、一気に不安になった。 「‥でね、向こうのママにはもう伝えてあるから、今からいってきて!」 「今からですか!?」 「うん!不細工だったらいらないって言われてたけど、元気そうだしギリオッケーでしょう!」 「・・・・・」 それって、どうなのーーーー?汗 「何かあったら、いつでも連絡してね~まぁ、駆け込んできてもいいわよ~♪隣なんだから(笑)」 ‥夜の世界の人って、 明るいのに冷たい‥。 それが第一印象だったかな。
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