プロローグ

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「あのさ…」 と、真琴はおもむろに話を切り出した。 この公園に寄ったのには理由があった。菊川とデートするのも今日で3回目。そろそろいいだろう。 ……告白しても。 恋愛でこんなに慎重になったのは菊川が初めてだ。今までは会ってから数分の女の子と付き合ったりと、とにかく積極的に行動していた。 それもそのはず。父親が若い頃に俳優として活躍してた時期があったらしく、その遺伝子を受け継いだ俺は整った顔だちの為かなりモテた。 でも菊川だけは違った。 今までの女とは違い、俺がいくらアプローチしてもなんの手応えもなかったのだ。 だが、地道に努力しているうちにこうして今日みたいにデートに誘えるほどになったのだ。そりゃ慎重にもなるさ。
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