プロローグ

4/9
前へ
/154ページ
次へ
「なに?」 と、菊川が聞き返す。 俺は一度深呼吸して気持ちを落ち着かせる。こんなにドキドキしたのは初めてだ。 「き、菊川!!」 「は、はい!!」 菊川もこの空気に察したのか、そわそわし始めた。 「あの……その、今日ここに呼んだのは………」 「う、うん……」 「星……綺麗だな」 「え? あ………うん、綺麗だね」 駄目だ。言えない! こんなの俺らしくない。 ほんとどうかしてるみたい… 「あ…」 星を見上げていた菊川が声をあげた。 「どうかした?」 「流れ星! 流れ星見えた」 「な、流れ星!? ど、どれ?」 と、空を見上げるがすでに流れ星は見えなかった。
/154ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加