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「うぉっ!な、なんだ?」
玄関を開けた明の目の前には
黒のスーツ姿に、サングラスをかけた男が立っていた。
明は、恐る恐る立ってる男に、話をかけた。
「あの、なんですか?オレになにか?」
「明様でしょうか?」
黒のスーツの男が、低い声で聞いてきた。
なんだ?なんで朝から、こんな人が訪ねてくるんだ?
「そうです。けど、オレ仕事行くのに急いでるんで、また今度にしてもらえますか?」
急いでるため、スーツの男を避けた瞬間。
「箱は、開けていただけましたでしょうか?」
は?箱?
あの、郵便物のことか?
ってか、なんで知ってるんだ?
急いでいる足を止め、明はスーツの男の顔を見た。
「その様子では、まだ開けていないのですね? では、お戻りになって箱を開けてください。」
明の行動を知ったように、スーツの男が明に近よりながら言った。
「なんで、箱があるって知ってる?ってか、今から仕事あるから!」
箱があること。
箱を開けろ。と言う、男。
疑問と、急いでいる気持ちが明を襲う。
すると、スーツの男が明の目の前まできていた。
「仕事ですか?それなら大丈夫です。こちらから、ご連絡しておりますので。どうぞ、一旦部屋に戻り、箱を開けてください。」
スーツの男が、明の肩に手をやり、部屋に戻そうとした。
「ちょっ!連絡?あんたが?意味わかんないから!ってか、あんた誰だよ!?」
明は、肩の手を振りほどいたが、完全に混乱していた。
「【G-KL】から、明様をお迎えに上がった、黒沢と言います。明様の職場へは、【G-KL】よりご連絡しておりますので、どうぞご安心を。」
スーツの男は、黒沢。
【G-KL】から、迎えにきて、仕事を休むと連絡を入れている。
なにがなんだか、わかんない。
【G-KL】って!?
再び、黒沢が明の肩に手をやり明をなだめるように答えた。
「箱を、開けてください。そうすれば、お分かりいただけると思います」
黒沢は、優しく混乱している明を部屋に戻した。
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