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数分後、弟はまだ階段を上り続けていた。
この家の地下は、とても深い場所に作られている。
とはいっても、これは兄弟が作った物ではなく、家系が代々受け継いできた物であるのだが…。
兄弟はこの地下室が存在したからこそ、研究をする決心が付き、それを続けて来られた。
すると弟は、急に何か思いついたように足を止め、周囲をキョロキョロと見回し始めた。
地下室から一階へ行くためのちょっとした階段、しかも小さな一軒家にある物が、そんなに広いわけももなく、せいぜい高さ、幅、共に2メートルほどの階段なのだが、執拗に見回し、耳を潜めている。
そして、何かに納得したように頷くと、ポケットから携帯電話を取り出した。
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