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結局俺は、滝と慈朗の三人でチョコレート作りをする事になった。
そうと決まれば三人で、生徒会に家庭科室の放課後利用許可を貰いに行くと、珍しい組み合わせに跡部が一瞬眉間に皺を寄せたが、時期も時期なので用途を察したらしくあぁと鼻で笑われた。
“ちくしょー覚えてろよ長太郎!”
俺はこの今までの受けた羞恥を、後で必ず長太郎で発散させようと心に誓った。
「はーいじゃあ、準備はいーかなぁ二人共?」
何故かノリノリな滝は家庭科教諭の様な口調で俺達に準備はいいかと聞いてきた。
「はーい!滝先生完璧だよっ!」
三角ずぎんに羊柄のエプロンをした慈朗が手を挙げ、ブンブンと振りながら満面の笑みで応える。
「…。」
「アレ?宍戸はまだなの?」
ノリに着いていけず、無言で二人のやり取りを聞き流していると、滝がノリの悪い俺をからかいにきた。
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