七人の反逆者

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誰かの訪問を伝える音が、広い屋敷内に鳴り響く。 やはり白を基調としたレンガの建物。 スペンサーのボロ屋とは、比にならない。 「留守ならいいのに」 トニーがそうつぶやくと、スペンサーは再びベルを鳴らす。 それから少しして、内部から操作されたのか、屋敷に入る為の門が開いた。 つまりこれは当然、入れとの合図だ。 その瞬間、二人は落胆の表情を浮かべる。 そして、スペンサーは両腰に装着した黄金に煌めく二丁の銃を出し、トニーは両腕にはめた紫色の篭手で拳を作り、敷地内へ足を踏み入れる。 (なんでそんなに警戒してんのよ……?) そんな二人を後方から眺めているジェシーは、ため息をついて彼らの後に続く。 スペンサーとトニー。 この二人と行動を共にしていると、全ての幸せを口から放出してしまいそうだ。 「クリア」 「クリア」 二丁の銃を構えるスペンサーの声に、トニーが返す。 まるで敵のアジトに潜入でもしているかのような緊張感。 ジェシーは何度も心の中で確認するが、目の前の屋敷は彼らの知り合いの自宅。 それだけのハズだ。 「よし、これから内部に入るぞ。警戒しろ」 「了解」 今度はトニーが、屋敷に入る為の玄関扉に軽く触れる。 紫色の篭手の素材は金属じゃないらしく、扉に触っても音をたてない。 ジェシーはあの武器が何かを知っていた。 スペンサーが持つ黄金の二丁拳銃然り、裏の世界では有名なものなのだ。 スペンサーが持っているのは、“炎の二丁拳銃”と呼ばれる武器。 アイム&アミィという愛称を持つ、彼のメインウエポンだ。 対するトニーの篭手は、“紫電の手袋”と呼ばれる武器。 愛称はないが、掌の中央に埋め込まれた宝石は、Bクラスの価値がある秘宝のひとつだ。 それらを持ち出し、装着して構えるほど、屋敷の中にいる人物は危険なのか。 否、それは二人にとってであって、ジェシーには関係がない。 彼女はそう願いながらも、扉を開けるトニーの側へ歩いていく。
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