七人の反逆者

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「それで、さっきから気になってるんだけど、なんでこの二人と?」 リンジーと名乗った女性は鎖に吊された二人を指差し、首をかしげてジェシーに尋ねる。 逆向きで腕を組むスペンサーと、同じく逆向きで脱力するトニー。 彼のサングラスは、また意味のわからない掛り方をしていた。 すると、 「そいつは俺の依頼人だ」 スペンサーが欠伸混じりに、リンジーへ言葉を返す。 「あんたには聞いてないわ」 「うるせぇ、答えてやったろうが」 「なんで怒ってんのよ?」 「吊されてっからだよ」 「そうだそうだ」 反逆するスペンサーに、トニーも便乗。 それを気にいらない表情で見るリンジーは、櫛を振って二人をさらに高い位置へ上げる。 「のわッ!?」 「ギャー!」 その際、今まで服で見えていなかった首飾りが、スペンサーの顔の前に垂れた。 丸い小さな水晶の中に、不気味に光る黒い菱形の物体が入っている。 彼はすぐにそれを掴み、吊された状態で再び服の中にしまい込んだ。 「あんな奴らに何を依頼したの?」 リンジーは櫛を胸のポケットに入れ、ジェシーに向き直る。 「腕がいいって聞いたから……“探し物”を見つけてもらおうと思って」 「秘宝ね? 詳細は?」 「エターナル・エントランスよ」 ジェシーから出た秘宝の名に、リンジーの表情が一変する。 やはり彼女は何かを知っているのだろう。 ジェシーは表情の変化で、それを察知した。 「それを探すには、“ログロット教”の情報が必要なんだよ!」 リンジーは上から聞こえた声を無視して、険しい表情を浮かべる。 そしてジェシーを見つめ、何かを考え始めた。 「情報をもらえたら、嬉しいんだけど」 ジェシーは意味深な表情を見せる彼女に、本題の質問を投げかけた。
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