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彼女は要領よく話をしたいのだが、古代の文明について一から話すとなると、どうしても長い言葉を連ねるしかない。
彼女自身、“ログロット教”について全部を知ってるわけではないので、まずは秘宝の話から入ることにした。
エターナル・エントランス。
このAランクの秘宝は、それなりに知名度が高い。
とある大陸のとある村では、子供が歌にして意味もわからず歌っているほどだ。
その内容が、
『空に架る橋は美しく
それが姿を現す前は
皆の気分が落ち込む日
でも橋が架ったら
四角い鍵で扉を開けて
上下に開く扉をくぐれば
みんな友達
ずっと友達』
である。
これが、エターナル・エントランスへ続く道しるべ。
そして、
「彼らの文明は、ある鳥を神と称えていたわ。この日誌の挿絵にもある、巨大な鳥よ」
リンジーは歌の内容を説明した後で、鳥のことを口に出した。
歌は、日誌の中にも記されていた。
それを聞いた三人は顔をしかめ、スペンサーは頭を押さえながらも立ち上がり、床に落ちた黄金の銃を拾いあげる。
「その鳥が鍵ってわけか。ったく、面倒くせぇ」
二丁の銃をホルダーに直し、スペンサーは小さな声で悪態をつく。
「生き物が絡むと、ロクなことがねぇんだよ。前にもあったし、それで懲りたんだがな」
「Aランクの秘宝を舐めないで。こういう古代の文明が守っていたものには、必ず危険が付きまとうわ」
リンジーはさらにページをめくり、真剣な顔でジェシーに言い放つ。
Aランクの秘宝を追う時には、死を覚悟しなければならない場合もある。
リンジーやスペンサー、トニーは、それを痛いほど知っているのだ。
「それで、今から重要なことを言うから覚えて。秘宝を追う為のヒントよ」
スペンサーとトニーの目付きが、真剣なものに変わる。
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