不死の力で滅んだ民族

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「私一人を止めても、“組織”にダメージは与えられん。奴らの目が、貴様に向くだけなのだぞ?」 今までスペンサーは、とある事件の後以来“組織”との関わりを完全に断っていた。 誰が何をしようが見ないふりをし、かつての仲間の行動にさえもそっぽを向いて、大陸にも寄りつかず、平穏の中に身を潜めていた。 「私を殺せば、あの男が貴様を迎えにくる……すでに何もかも手遅れだがな。この依頼を受けた時点で、貴様の退路は断たれたのだ」 杖を振り、虚空を裂いて地面を割る。 スペンサーは後退し、攻撃を回避すると銃口を敵に向け、その場に静止する。 無闇な発砲に意味はない。防御に杖を振らせても、発生した斬撃がそのまま攻撃に繋がる仕込み杖を相手に、彼は打開策を脳内で構成する。 「貴様は終わりだ……初めから詰んでいたのだよ。気の毒だがな」 首にぶら下げた角笛を手にして、M・クラフトは杖を下げた。 「そして私は不死の力をいただく。それを止める意味が、果たして貴様にあるのか?」 言葉を受けたスペンサーは、険しい表情で一瞬の視線を不気味な祭壇へ送る。 「……確かに、意味はねぇかもな」 そうつぶやいた後、完璧に定めた銃口から二発の弾丸を撃ち放った。 しかしそれは、警戒していたM・クラフトの機敏な動きにてかわされる。 「だが……理由がある」 当たらないことなど気にせずに、彼は最後の勝負に打って出る。
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