エターナル・エントランス

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「くッ……あの野郎、聞こえちゃいねぇ」 痺れを切らせたスペンサーは叫ぶのをやめ、自らの足で祭壇に近づいていく。 “エターナル・エントランス”という巨大な鳥の登場により、砂で作られた壁は消えていた。 彼はこの機を逃さず、腰から抜いた黄金の銃で祭壇を破壊するつもりだ。 「……まぁ、なんでもいいか」 M・クラフトはまだ、彼の行動を気にかけていない。 火口から見える鳥を睨み、不敵な笑みで右手に持つ仕込み杖を振り上げた。 「不死を得れるなら、扉も鳥も関係ない……必要なのはそこに秘めたる力だけだ!」 そのまま勢いよく縦に振り下ろし、発生した斬撃を遥か上空、火口の外へ。 「な……なにを……?」 それを見たスペンサーが驚きで足を止めると、放たれた斬撃は虹色に輝く橋を裂き、鳥の首筋を覆う人間の顔に直撃。 嘆きの声はいっそう増し、滝のように流れた黒い血が滴り落ちて、鳥の表情を怒号のものへ変える。 「不死の力を奪ってやる!」 続いてM・クラフトが杖を振り回し、無数の斬撃で鳥の首を切り裂く。 「よせ! これ以上“あれ”に関わるな!」 スペンサーの忠告など耳には入らない。 巨大な“不死鳥”を目の前にして、彼には平静さの欠片も残ってはいなかった。 「翼をもげば、地に堕ちるか!?」 「やめろって言ってんだろ!」 斬撃は容赦なく鳥の身体に溝を刻み、首筋から哀れな先民の顔をいくつか引き剥がす。 しかし、その傷は瞬く間に再生していった。森で見た猛獣と同様に、黒い血が羽根のように舞い上がり、傷口に戻って組織を修復する。 そして、 『グァアアアアアアア!』 初めて聞こえた鳥の鳴き声。その後で、山の頂が崩れ落ちた。
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