エターナル・エントランス

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空にとどまっていた“不死鳥”が、ゆっくりと降り立つ準備をする。 近づいてきて初めてわかったが、苦しみの声を放つ先民の顔は首筋に浮き出た分で全部ではない。 羽根や羽毛で覆われた翼や腹、胸、眉間にまでも、びっしりと秘宝自体を埋め尽くしているのだ。 「……こんなものを、あいつは守っていたのかよ」 小さく、断末魔に呑まれて自らの耳に届かぬ声で、しかし確かに言葉をこぼす。 「何の為に守って、何の為に命を賭けて……」 続いて視線は砂に隠された祭壇へ。そこから放たれる虹の光が、真上で高度を下げてくる秘宝をここに留めていることを確信する。 「……何の為に、あいつが泣いたと思ってんだ!」 レンガで構築された床を蹴り、勢いよく前へ。 彼が目指す先にいるのは、岩の破片から飛び下りたばかりのM・クラフトだ。 「託されたまま逃げれるかよ! 人を馬鹿にすんのもいい加減にしろクズ野郎が!」 左手を引き、右手を前へ。それと同時に高く跳躍し、残り三つの弾を駆使して繰り出される彼の最後の技。 「……何をそんなにムキになっている?」 その覚悟を前にして、M・クラフトはため息混じりの言葉を吐く。 「これ以上てめぇの好きにさせるわけには……いかねぇんだよ!」 「手遅れと言ったのがわからんのか……小僧が!」 諦めないスペンサーに、相対する独裁者の余裕が怒りに変わる。 直後に、黄金の銃口から一発の火の粉が飛び出した。
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