無法大国での激闘

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「……だったら?」 「別にいいんだけど、方法を変えて欲しいんだよ」 「方法だァ? どうやろうが俺の勝手だ」 決してまともに受け答えしないスペンサーを前に、苦笑するオレンジハット。 いつ火の粉を飛ばされてもおかしくないが、 「……いいかい?」 彼は挑発的な口調ではなく、笑みすらも消してスペンサーの眼前に歩み寄る。 そして、 「ブラックオベリスクを破壊することは許さない」 小さな声ではっきりと、真剣に命令してきた。 「……なんだと?」 一旦銃を下げ、今聞いた言葉の真意を探る為にオレンジハットへ一歩踏み出し、顔を近づけて睨みつける。 「そのままの意味だよ。ブラックオベリスクの謎は僕が解き、あれの力を手に入れる。君が壊したら、インフィニティも困るが僕も困るんだ」 “世界七不思議”のひとつに認定されている秘宝、ブラックオベリスク。 ギルティタワーやデッドピラーズなど、様々な呼び名が存在する七本の巨大な塔のことだ。 入口はなく、中は決して空洞ではない。 塔と言うよりは、柱と呼ぶべき代物だ。 誰が何の為にそれをつくり、何をしようとしていたのか。 Sランクの難易度を誇るそれは数々の謎に包まれ、いまだそれを解明できた者はいない。 そしてその秘宝はインフィニティの監視下にあり、今も謎解きに躍起になっている。 「君はあれを破壊することで、組織に多大なダメージを与えるつもりだろうけど、考え直すんだ。あの謎は僕が解き、秘められた力は僕が得る」 オレンジハットはそう言うと、静かにスペンサーの首に視線を移した。 そして、そこにあるハズの物がないことを悟る。 「……なんで俺がブラックオベリスクを破壊すると?」 「そんな質問に答える気はないね。もし君が僕の忠告を聞かずにあれの破壊を試みたら……」 スペンサーを指差し、反対の手でハットに触れる。 「……全力で阻止する。邪魔をするインフィニティと同様、死んでもらうよ」
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