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始業式を終えた俺こと折宮総司は教室の机に一人突っ伏していた。周りは何やら騒いでいるが俺には関係ない。
「か、身体が重い…」
正直言って死にそうなくらい怠い。脂汗も出て来てますます気持ち悪くなる。
「あ、あの…大丈夫ですか?」
不意に隣からそう声が掛けられた。体調が悪そうにしているから心配してくれたのだろう。俺は声がした方を振り返る。
「……み、美作さん!?」
何と予想外な事にそこにいたのは学園のアイドル美作雪乃だった。
薄い水色の髪がふんわりと腰まで伸びている。やや垂れていて愛嬌のある大きな瞳に小さな鼻。赤くてふっくらとした唇。身長は小柄で150センチくらいなのに胸はかなりの大きさ。まさにTHE美少女だ。
「うん、折宮くんだよね。身体大丈夫?」
「たった今大丈夫になりました!!それよりも美作さん俺の事知ってるの?」
現金な事に話し掛けてきた相手が美作さんだと分かった途端に俺はすっかり元気になっていた。美少女パワーは男には絶大なんだな。
「ふふ、折宮くんって有名だから。この学校で知らない人はいないんじゃないかな?」
小さく笑いながらそう答える美作さん。可愛過ぎるぜ。お持ち帰りした…邪心退散!!
そんなに俺って有名かな。そう首を傾げていると美作さんが更に言葉を続けた。
「ほら…去年の学園祭とか…運動会とか…」
ああ~、確かに色々やったわな。思い出してきた。
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