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10年前―――
まだ8歳のファムには好奇心というものがあった。
ファムは今日も父の行動を伺っていた。
父であるハルディーヤ皇帝はいつものように塔の中に入り、数分後にルンルンっとスキップして出てくる。
あそこにはきっと面白くて愉しいものがあるに違いないっとファムは確信した。
好奇心と興味にかられあの塔に行ってみたいと思う。
****
城の地下室の一室で機械弄りをしている少年のもとを訪れる。部屋は汚くよく分からない部品が転がり落ち、試験管の中にはよく分からない液体が入っていて、少年は部屋の奥でロボットみたいな機械を弄りネジを止めていた。
「はっ、塔の中に行きたいって!?お前正気かよ?あそこには呪縛霊がいるんだぜ」
兄弟の中でもっとも仲がいい3つ年上で腹違いの兄であるラルファに塔の事を聞いたファム。
だがラルファは断固拒否る。
ファムもあの塔の噂は知っていた。
夜な夜な少女の啜り泣く声が聞こえたり、獣の遠吠えが聴こえてくるらしい。
その噂を知っているからこそ頼りになるラルファを誘ったのに彼は行こうとは言ってくれなかった。
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