遙かな日々

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エルとラルファは城内に来ていた。 ラルファが前を歩きその後をはぐれないように一生懸命歩いてるエル。 「おいっ!おせぇよっ!ったく」 突然ラルファはエルの前に行き横抱きする。 軽々と抱いてしまうラルファはエルの体重を実感する。もう少し重くてもいいはずなのにエルにはそれがない。 これもアレの影響なのかとラルファは思った。 「えっ!?ラル恥ずかしいよっ!降ろしてよ」 突然の事に驚いたエルは赤面して暴れだす。 降ろしてっと暴れるが全部交わされる。 「大人しくしてろよ。お姫様」 クスリッと妖しく笑う。それを見てエルは顔をラルの胸板に押し付けて顔を隠す。 「ばかっ大っ嫌い。嫌い!でも大好きっ!」 さっきよりも顔を真っ赤にしてる。 エルの声は消えてしまいそうだけどラルファはしっかりとそれを聞いていた。 「はははっ、お前は可愛いヤツだな」 エルを離さないようにギュッと抱き締める。 どこか嬉しそうに微笑むラルファ。 城内を数分歩いた所にある大きな扉がありそれに手を掛け二人は中に入った。 「ここは?」 横抱きにしていたエルをベッドに降ろしラルファはソファーに腰を降ろした。 「俺の部屋」 「そうなんだ」 置いてる物はエルの部屋とたいして変わらなかった。だが少し散らかっていてそれがラルファらしい。 「あいつ、おせぇなっ」 「あいつてだれ?」 「ああっそれは……」 コンコンッ ラルファが誰か答える前に扉をノックする音が聞こえた。 「入るよ、兄さん」 扉を開けて入って来たのは銀髪と赤い双眸の少年だ。 少年はエルより年上で大人びている。彼が纏う雰囲気は誰かに似ていたそれが誰かはエルは思い出せない。 エルが気付いたことは自分の着けているリボンにある帝国の紋章と同じ物が彼が嵌めている右手の手袋にある。 ふと不思議に思った。自分の父である皇帝も時々会いに来るが父の身に付けてる物にもあの紋章があった。 エルはまだ紋章の意味が分からない。 でもその意味を知るのはそう遠くない未来。 少年に対する謎もとけるだろう。 エルはラルファのとなりに座りその向かい側には少年が座る。 「お前たち自己紹介しろ」
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