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「ウザッ」 「キモッ」 「腐っ」 「死ねや」 今日も容赦なく浴びせられる言葉。 俯いて席に着いている私。 できるだけ顔が出ないよう前髪は長く、肩まで伸びた髪も垂れ下がっている。 息が詰まりそう。 胸の奥がキュッとなる。 息を殺して、チャイムが鳴るのをひたすら待つ。 ポカッ 何かが頭に当たった感触。 それはゴミ。 「あっゴミ箱と間違えたっ」 どっ 一気に爆笑が起こる。 「やだーそれゴミ箱じゃないし」 「マジウケる」 いつものパターン。 いつもの日常。 飽きもせずに毎日毎日繰り返される。 憂さ晴らしなのか。 暇つぶしなのか。 彼らはただただ執拗に、私に構う。 三村碧乃、17歳。 そう、私はクラス中からいじめられている。
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