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「わたしたち、ずっといっしょだよ。」
「うん、なにがあってもおとなになっても、えいえんに、おともだちだよ。」
毎日毎日、挨拶のように交わしていた。その意味の重さなど、全くわからずに。
小さいテレビの画面をぼーっと見ながら、奈々美はふと由樹のことを思いだしていた。
高野由樹。幼稚園からの大親友。彼女はいつも笑顔で人気者だった。
毎日いっしょに学校から帰って、5分後には自転車で公園に集合するのが決まりだったっけ。
お友達はめいっぱいいたけど、それでも私と二人で遊んでるときが一番楽しいって、純粋な目をして言ってくれたのが本当に嬉しかった。
もう随分と会っていない。由樹は元気にしているだろうか?
どこまで本気だったかは別として、一応は永遠の友情を誓い合った仲。無言の安心感というか…、しばらく連絡をとらなかったくらいで、心まで疎遠になるようなことはないと、強い自信はあった。きっと由樹もそう思ってくれているだろう。
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