誰か2

3/4
前へ
/220ページ
次へ
「またかよ、アンタ」 「ふふ、来ちゃった」 「これから仕事だから。邪魔すんな」 「…知らないの?」 「何をだよ」 不機嫌そうな顔。 おいらとの記憶なんて、もう無いんだろうな。 悲しいけど、事実だもん。 受け止めなきゃ。 「今日の客、おいらなんだ」 「……は?」 「楽しませてね?かず」 「ちょ、待って…え?なに? マジで言ってんの?俺がどういう仕事してんのか知ってるよね?」 「だてにストーカーしてねぇもん。知ってんに決まってんだろ」 ばかにし過ぎじゃない? さすがに酷いよ…黄、じゃなくて、かず。 「自信ないわけ~?」 「ふざけんな、騙そうったってそうはいかねぇから」 「予約表見なよ」 「……あー、えっと?アンタの名前なに?」 「あお」 ぺらぺらと手帳を捲ってる。 …え、本当にそんな人気だったんだ。 「……うわ、マジで客かよ」 「だから言ってんだろ」 「はぁ…ま、いいや。行くよ」 「ん…、っ!?」 いきなり腕を組まれてびっくりした。それを読みとったみたいにクスクス笑うかず。 「んふふ、行こう?青」 ……なるほど。 魔性のチカラで下剋上したのか。 .
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

317人が本棚に入れています
本棚に追加