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「……赤さん、何やってんの」
「ん?新聞読んでる所」
「今日ってさ、久しぶりの2人のオフが重なった日だって知ってる?」
「うん」
そういいながらも新聞の活字を追って、俺を見ようともしない。
………………ムカつく。
「新聞の方が大事?」
「何と?」
「俺と」
本当はこんな質問したくない。
だって面倒な女みたいじゃん。
『私とコレどっちが大切なの?』とか。聞いてどうすんだよって思ってたのに、その言葉を自分がいうなんて。
………面倒だとか思われる?
「黄は隣に居てくれるから」
「は……?」
「ずっと隣に居てくれるって言ってくれたから、俺は安心できるの。ほら、昔はさ?両想いだって知らなくて、友達でもいいから見捨てないでくれーって思ってたんだ。だけど今は黄は隣に居てくれる。これ以上、望んだらバチがあたる気がして」
いつもはキリッとしている眉が青さんみたいに八の字に垂れ下がってる。
…………そんな事、思ってくれてたんだ。
でも、赤さん。
一緒にいても、やっぱり俺は心配なんだ。
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