2人が本棚に入れています
本棚に追加
場所は眉山の展望台。あたりには初日の出をみる観光客があふれてはいるが、そのすみっこで私たちは肩を寄せ合った。
日の出があがるまで、私は恵里子にメールをしていた。
『あけおめー。今年もよろしくね。今浩介君と初日の出見に来てるんだ。恵里子はどうやって過ごしてる?」
恵里子は初日の出なんて興味もなく、少し遅い時間の年越し蕎麦を食べながらテレビをみていた。
そこで理恵からのメール。恵里子はすぐさま打ち返し、1人孤独を味わいながら頭をかかえてうつぶせた。
『私は1人で年越し蕎麦食べてる。うらやまし!あついねー。仲良くやってね。今年もよろしく』
恵里子からのメールをちらっとみて空を眺める。
初日の出は綺麗にあがった。
私は浩介にキスしようかと思ったが、浩介は初日の出に夢中で声すらかけれなかった。
2人を照らす初日の出。日の出は2人を祝福しているようにも、いたずらに照らしつけているようにも見えた。
最初のコメントを投稿しよう!