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「須崎さん、検診の時間ですよ」
病院に横たわる私、窓にはいつもカーテンがしかれている。
もう外はみたくない。
抗がん剤治療によって髪の毛は抜け落ち、毛糸の帽子をかぶった私。
看護婦はいつもどおりの検診を終わらすと、そそくさと部屋を立ち去った。
誰も居ない病院、1人で考えることは〔死〕
怖い、でも逃げられない現実。
その現実から逃げ出すように私は、窓をあけた。
窓の外には、一本の木。金木犀。
私に微笑むようにその金木犀の香りが私をつつんでくれた。
その香りを十分に味わった中、最期の手紙を書き残した。
そして、私はこの世から去った。
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