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あれから月日が経ち、2人はなんの進展もなく夏が訪れた。
しかし、理恵の体調は悪化していった。
食事ももうろくにのどを通らない。
仕事もできなく、おおかた休みがちになっていった。
でも私は恵里子や浩介には心配かけたくないので、2人の目の前では元気でいた。
しかし、日に日に私はやせ細っていった。
気になる私は病院へ行くと儚い現実をたたきつけられる。
「末期ですね、癌の。胃癌です」
私は目の前が真っ暗になった。
でも、奇跡はおこるはず。原因の胃を取り除く決心をした。
私は病気になんか負けない。元気になって、浩介と……。
しかし、手術は行われなかった。
癌は血液にまで転移していたのである。
白血病、私はその悪夢にうなされることになる。
毎日毎日の抗がん剤治療、血を吐くこともあった。
体は物凄くやせ細り、骨と皮になってもなお延命治療は行われた。
毎日が地獄、もう生きる希望ももてない。
友達にも浩介にも言えない……。
ただそのことが気がかりであった。
金木犀が香る頃、理恵は死んだ。
イルカのネックレスと一通の手紙を残して……。
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