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海斗『………』
魂の抜けた脱け殻のような状態でただその場に座り込む。
いきなり頬に激しい痛みが走った。
和樹が海斗を思いっきり殴ったのだ。
海斗『何すんだよ!』
殴られ怒り狂う海斗は和樹の胸ぐらを掴み言う。
和樹『お前は生きてる!今ここに生きてるんだ!母さんはもう居ない!だけど母さんはお前が死ぬの何て望んでない!なら生きろ!生きて生きて生き抜け!』
いつもへらへらしている和樹とは思えないほど真剣な顔をして海斗に言う。
海斗『そうだよな………母さんはそんなこと望んでないよな………』
和樹『そうさ!なら生きようぜ!』
海斗『あぁ!』
生きる誓いを立ててこれからどうするかを話し合う。
和樹『どうする?これから?』
海斗『そうだな………。避難用のシェルターを探すしかないだろ』
和樹『だな………だけど今外に出るのは危ないな』
海斗『そうだな………なら洞窟の奥に行って落ち着くのを待つか』
海斗は今自分達が身を隠している洞窟の奥を指差す。
和樹『そうだな。とりあえず落ち着いてからシェルターを探そう』
そう言うと洞窟の奥の方に足を進めた。
和樹『結構進んだけどまだまだ続くな~』
海斗『あぁ。薄気味悪いぜ』
30分程歩いてもまだ行き止まりにならず。
少し疲れたのか。
和樹『少し休憩しようぜ』
その場に座り込む和樹を見て海斗は。
海斗『そうだな。少し休憩しよう』
海斗もその場に座り込みポケットから昔母から貰ったネックレスを取り出す。
和樹『何だそれ?』
海斗『母さんが昔手に離さず持っててって言われたからずっと持ってる』
少し笑いながら和樹に言い。
和樹『そうなのか………大事にしろよ』
海斗『当たり前だ』
その時だ笑いながら話していると。
ゴォォォォォ
凄い音が洞窟に響き渡る。
和樹『この音まさか!走るぞ海斗!』
海斗『分かった!』
すぐに立ち上がり洞窟の奥に走り出す。
和樹『ラースがここまで追ってくるなんて』
海斗『どんだけしつこいんだよ!』
和樹『まて!』
和樹が急に止まる。
海斗『おいどうした?』
急に止まる相手に不思議に思い和樹の向いている方に視線を向ける。
海斗『!?』
それは白く閉ざされたかなりでかい扉があった。
和樹『ヤバイぞ!』
これ以上前に進めない。
そう思いながら辺りに逃げ道がないか探す。
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